3月のライオン

羽海野チカさんの漫画ははちみつとクローバーからの大ファンでした。柔らかい柄のタッチや登場人物の歩くシーンなどが大好きでした。3月のライオンもそのような絵のタッチなどが活かされていて見ているだけでほっこりします。しかし、3月のライオンは3月の吹き付ける強い風のように、時には激しく、時には優しい物語展開になります。物語は中学生でプロ棋士になった主人公桐山零の話です。将棋の話ですが、桐山くんと仲良くなる3姉妹の話や、棋士の話がとっても面白く、将棋初心者のかたも楽しく見れます。また、棋士の心理状態を絵にたとえながら表現していることがとてもすばらしいです。例えば、そこは海の中だったり、船の上だったり、暗闇の中だったりします。将棋がわからなくても棋士が今どんな気持ちでどのような状態で戦っているのか、非常に良く伝わります。
そして、将棋に関係ない話もとても面白いのです。それは、生活の中のちょっとした出来事に焦点を当てていることです。例えば、晩御飯の内容を1ページにぎっしり描いていたり、家の箪笥に貼られているシールだったり、日曜の朝の風景だったり。日常の気づかぬまま過ぎてしまう瞬間をしっかりと切り取り、私たちに幸せとは何かを優しいタッチで伝えてくる作品なのです。
主人公たちは一人一人とても壮絶な過去があり、お互い支え合って生きています。しかしそれを思わせないほどの面白いギャグシーンなどもたくさんあります。いじめや家族の問題などの社会問題も扱っていて、どの世代にも楽しめる作品になっています。特にいじめの回では、”言葉”にとても感動しますし、このような社会だからこそ知らなければいけない教訓などもかかれています。

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